インデックス
新しい電子メールアカウントの作成
アカウントの設定
受信の設定
送信の設定
電子メールフィルタの設定
メールサービスの設定

e-mail-icon_64.pngメール (E-mail)

Deskbar:Preferences
位置:/boot/system/preferences/E-mail
設定ファイルの位置:~/config/settings/Mail/*

Haiku は、メールサービス (mail_daemon) を通じ定期的に電子メールを取得して、メールごとに単一のテキストファイルに保存するシステムを提供します。システムはメールを解析して、差出人、宛先、題名、未読 (既読) といった必要なすべてのヘッダ情報と共に属性を設定します。処理は直接あるいは各アプリケーションから要求できます。また、このシステムはすべてのデータと構成を保ちつつ電子メールクライアントを切り替えることを容易にします。
構成は電子メール設定パネルで行います。

index 新しい電子メールアカウントの作成

電子メールアカウントの設定手順を追っていきましょう。
新しく無名のアカウントを作るために、まず追加 (Add) ボタンをクリックします。すると、アカウント情報を入力するパネルが開きます:

e-mail-new-account.png

最初に、メールを取得する方法として、POP3IMAP を選びます。

それから、E-mail アドレス (E-mail Address)、ログイン名 (Login Name)、パスワード (Password) を入力して、Haiku 内で用いられるアカウント名 (Account Name) と本名 (Real Name) も決めてください。

(海外の) メジャーな電子メールプロバイダーを利用している場合、Haiku はすでにサーバーの IP アドレスのような技術項目をすべて理解しています。それ以外の場合は、次へ (Next) をクリックすると、手でこの情報を入力するためのウィンドウが開きます。

e-mail-new-account-2.png

まず、受信メールの サーバー名 (Server name)認証方法 (Login type)、および接続タイプ (Connection type) を設定します。その下は、送信メールの設定です。ユーザーの電子メールプロバイダーのウェブサイトで必要な情報は得られるはずです。
各種設定や追加の設定について詳しくは以下を見てください。

index アカウント設定

左側のリスト中のアカウント名を選ぶと、いくつかの全般設定を変更できます。

e-mail-accounts.png

アカウント名は、たとえば E-mail 設定のアカウントリストに表示される名前です。実名は、ユーザーからのメールを受信した人が見る名前です。返信先アドレスは、ユーザーからのメールに返信するときに用いられる電子メールアドレスです。通常は、送信元のアドレスと同じになります。

もし、アカウントを送信専用、または受信専用にするなら、左側のアカウント名を右クリックして、それに応じてチェックマークをセットすることで、機能を無効・有効にできます。

index 受信の追加設定

どのように電子メールを受信するか設定するには、アカウント名の下にある Incoming をクリックします。

e-mail-in.png

最初は、受信メールのメールサーバー (Mail server) アドレスです。プロバイダーが特定のポートへのログインを必要とするなら、コロンで区切ってアドレスに追加できます。例: pop.your-provider.org:1400.

次に、ログイン情報として、ログイン名 (Login name)、および パスワード (Password) を入力してください。必要なら、認証方法 (Login type) をデフォルトの 平文 (Plain text) から APOP に変更してください。

もし POP3 を使っていて、このアカウントのメールを複数のコンピューターで取得するなら、Leave mail on server オプションを有効にして、ローカルのみでRemove mail from server when deleted を行うとよいでしょう。

もし代わりに IMAP を使っているならば、Remove mail from server when deleted locally オプションが利用できます。また、同期するフォルダーを、Top Mailbox Folder (最上層の受信箱フォルダー) から指定したフォルダーとそのサブフォルダーに変更できます。

同様に、指定したサイズより大きいメールについて、Partially download messages (部分的にメッセージをダウンロード) するよう設定することもできます。これはヘッダのみを取得するので、題名と差出人を見た後でメッセージの続きと有効な添付ファイルをダウンロードするか決めることができます。低速な接続回線を利用している場合に便利です。

受信箱の Destination (場所) を変更できます (デフォルト: /boot/home/mail/in/)。これは、異なるアカウントのメールを独自のフォルダーに分けたい場合に便利ですが、クエリでも同様の整理が可能です。

index 送信の追加設定

どのように電子メールを送信するか設定するには、アカウント名の下にある Outgoing をクリックします。

e-mail-out.png

最初に、送信メールの SMTP Server (SMTP サーバー) アドレスを設定します。先の受信サーバーと同様、必要に応じて特定のポートを指定できます (例 mail.your-provider.org:1200)。

ログインする必要があれば、Login Type (ログインの種類) を ESMTP に変更しユーザー名とパスワードを入力します。もうひとつは、プロバイダーがメール確認時に認証のため POP3 before SMTP を要求する場合に用いられます。

受信メールと同様に、送信箱の Destination (場所) を変更できます。(デフォルト: /boot/home/mail/out/)

index 通知とその他の電子メールフィルター

新着メールの通知および、メールの並び替え、フィルターについては、アカウント名の下のメールフィルター (E-Mail filters) で見つかります。互いに適用するフィルターをいくらでも追加でき、それらをドラッグ&ドロップで新しい場所に再配置できます。
今のところ、3 種類の受信メールフィルター (Incoming mail filters) を追加できます。フィルターを追加したら、オプションを理解するためにそれを選択してください。

index スパムフィルター (AGMS ベイジアン)

e-mail-filter-spam.png

スパムフィルターは不要なスパムの判定に統計的手法を利用します。メールには 0 から 1 の評価値が付与され、ユーザーはスパムと通常のメールとの境界値を決めることができます。
評価値を受信メールの題名の先頭に追加することが可能です。
また、スパムフィルターはすべての受信メールから学習できます。もちろん、誤ってスパム判定されている偽陽性のメールを仕分けて、スパムフィルターに学習させなくてはいけません。メールアプリケーションについての説明で詳しく知るでしょう。

Rule filter (ルールフィルター) と併用することで、検出されたスパムメールを自動的に整理できます。

index ルールフィルター

e-mail-filter-header.png

このフィルターはメールヘッダと検索パターンを比較し、一致した際に処理します。
最初のテキストフィールドには対象のヘッダを指定します。以下のヘッダが指定できます:

名前 差出人の名前
差出人 差出人の電子メールアドレス
To (宛先) あなたの電子メールアドレス (アカウントによって異なります)
Reply To 返信先の電子メールアドレス
When メールが受信された日時
Subject メールの題名
Cc メールの複製 (Cc) を受信するアドレスの一覧
Account 電子メールアカウントの名前
Status 電子メールのステータスを表します。通常は"Read (既読)"、"Replied (返信済み)"、"Sent (送信済み)"、"Forwarded (転送済み)"、"New (新規)"、または自分自身で定義したものです。ただし、フィルタでここを変更しても、Mail サービスがメールを取得した後は常に "New (新規)" が適用されています。
Priority (優先度) 差出人の電子メールプログラム側で設定されます。(例 "urgent (緊急)")
Thread 基本的に "Subject" と同じですが、Re: や Fwd: といった文字列が除かれます。
Classification Group (分類グループ) スパムフィルタの判定に応じて、空白 (不確かな場合) か、あるいは "Genue (本物)" か "Spam (スパム)" の文字列を含みます。
Spam/Genuine Estimate (評価値) これはスパムフィルタが電子メールに付加する評価の数値です。これは科学的記法で表記され、たとえば、1.065e-12 は 1.065 を 10 の 12 乗で割った 0.000000000001065 を意味します。

2 番目のテキストフィールドには検索パターンを入力します。ここでは、regular expression (正規表現) が利用可能で、多少複雑になる場合があるものの高い柔軟性を提供しています。リンク先を少し読めば、正規表現を利用する価値が充分にあり、また単純な検索パターンに関してはまったく複雑にならないことがわかるでしょう。

その下のポップアップメニューで、パターンが一致した際の処理を選択します。メールの移動や削除、"Read (既読)" などメールのステータス変更、返信に用いる電子メールアドレスの設定ができます。

index 新着メールの通知

e-mail-filter-notification.png

新着メールの通知にはいくつかの方法が選べます。方法 (Method) メニューでいくつかのオプションが見つかります。それらは、さらに組み合わせて利用できます。

無し 通知しない
ビープ音 すべての新着メールにつきサウンド設定で設定したサウンドファイルを再生
警告 すべての新着メッセージにつき警告ウィンドウを表示
キーボード LED CapsLock キーのような、キーボードの LED を点滅
Central alert 新着メッセージにつき警告ウィンドウをひとつ表示
Central beep サウンド 設定で設定した新着メッセージ用のサウンドファイルを一度 再生
ログウィンドウ ログウィンドウを表示

index 送信メールフィルタ

送信メールに適用できるフィルタはたったひとつです: fortune (占い)。
このフィルタは送信するメールが送られる前に、その末尾にランダムに選ばれた愉快な (あるいは賢い) "fortune cookie" を付け加えます。ターミナルで fortune コマンドを実行することで試すことができます。

index メールサービスの設定

受信および送信メールサーバーの設定が (おそらくフィルターの設定も) 完了したので、実際の確認と取得のすべてを行うメールサービスに、ジョブをどのように行うか知らせる必要があります。

e-mail-settings.png

メールチェック (Mail Checking) で アカウントのメールサーバーに新着メールの問い合わせを行う間隔を指定します。
ダイヤルアップ接続を利用している場合、メールチェックのためだけに自動でダイヤルしてしまうのを防ぐためダイアルアップ接続の時のみ (Only When Dial-Up is Connected)ダイアルアップ接続が中断した時に送信メールを予約する (Schedule Outgoing Mail When Dial-Up is Disconnected) を有効にするとよいでしょう。

メールサービスでは、ステータスウィンドウの表示を表示しない (Never)送信中に (While Sending)送受信中に (While Sending and Receiving)常に (Always) から選択できます。

起動時にメールサービスを開始する (Start Mail Services on Startup) が無効だと、処理を実行する mail_daemon が起動していないので、有効であるかしっかり確かめてください。

e-mail-mailbox.png

メールボックスメニューを編集… (Edit Mailbox Menu...) は、/boot/home/config/Mail/Menu Links/ フォルダーを開きます。この中に格納されたすべてのフォルダーやクエリ、またそれらのリンクが、Deskbar トレイのメールサービスにあるメールボックスアイコンのコンテキストメニューに表示されます。

メニューからは、メッセージを作成... (Create new message...)直にメッセージをチェック (Check for mail now)メール設定の変更... (Preferences...) といった操作ができます。

SHIFT を押しながらメニューを開くと、次のコマンドも表示されます。

メッセージのみチェック (Check for mails only) ひとつのアカウントのメッセージをチェックするためのサブメニューを開きます。
未送信のメッセージを送る (Send pending mails) 新規メールをチェックせずにメッセージを送信します。
メールサービスをシャットダウン (Shutdown mail services) メールサービスを終了します。

メールボックスアイコンは、未読メッセージ ("New (新規)" ステータス) がある場合に中に封筒マークを表示します。