バグの報告
Tracのアカウントを取得する
バグレポートの作成
アプリケーションのバグ
サーバーのバグ
カーネルのバグ
Kernel Debugging Land - KDL
Syslog
スクリーン上でのデバッグ
Hardware/Driver bugs
そして次は

バグの報告

私たちの開発者はあらゆるハードウェア構成でテストする事は不可能です。様々な要因がオペレーティングシステムに影響を与えるため、私たちはユーザーの動作の報告などの情報に頼っています。そして Haiku はまだ幼いプロジェクトのため、バグに遭遇する可能性が高いです。私たちはバグを報告してくれるのを待っています。少しずつ Haiku を改善してもっと良いものにしていきませんか?

私たちのバグ・トラッカーに有効に保つため、バグ・トラッカーにおけるエチケットを絶対に守ってください。

index Trac のアカウントを取得する

チケットを登録するには、Haiku バグ・トラッカーでアカウントを取得する必要があります。
アカウントを作るときは、チケットの更新通知メールを受信するために自分のメールアドレスを登録することが必要です。さまざまな確認のためのメールが届くため、アカウントを作成した後は、こまめに迷惑メールフォルダをチェックするようにしてください。というのも、重要な確認メールがしばしば迷惑メールに分類されてしまうからです。

index バグレポートの作成

バグを報告する前は、 もうすでに報告されていないか確認をするようにしてください。検索機能が有用です。
報告されていないことを確認したら、以下の情報を可能な限り多く提供してください:

index アプリケーションのバグ

アプリケーションがクラッシュしたときは、ポップアップしたダイアログからデバッガーを起動すべきです。そうすると gdb (GNU デバッガー) がターミナル画面の上で起動します。 bt と入力することで "バックトレース" が出力されるので、それをそのままコピーし (bt と入力する前も含める) 、そのままチケットに添付してください。

index サーバーのバグ

App server, registrar, input server のような必須のサーバーがクラッシュしたときはよくあるクラッシュアラートを見ることは無いでしょう。スクリーン全体が白で塗りつぶされ、gdbのセッションがスタートします。出力はスクリーンに直接出力されます。だいたいの場合、マウスはまだ動かすことができますが、gdbの出力を上書きします。アプリケーションも動いたままで、 (たとえば ProcessController や デスクバーの時計のように) それもgdbの出力を上書きします。
さらに、アプリケーションのバグに比べ全ては見にくく便利ではありません。アプリケーションのバグのようにはいかないでしょう。バックトレースの取得 (bt コマンド) も、テキストのコピーができないためデジタルカメラ等を用いて写真を撮影しないとならないでしょう。

index カーネルのバグ

カーネルのバグのデバッグは最も難しいでしょう。カーネルやドライバーのバグにはこのようなさまざまな症状があります:

最後の例でハードウェアに関連すると思われる場合は、その動作がドライバーのバグかもしれません。もしドライバーやハードウェアに疑いを持っているならば、そのハードウェアを取り外したり無効化をするなどしてどのように変わるかを確認してください。たとえば、 Wifi が問題だと疑っているならば BIOS の設定を参照して Wifi を無効化したり、 Wifi ドライバーを Haiku のインストール作業で取り除く (/boot/system/add-ons/kernel/drivers/bin の中にあります) 等といった事です。

index Kernel Debugging Land - KDL

システムが KDL に自動で入らなかった場合、 ALT SysReq D を押して手動で入ることができます。
KDL ではキーボードが動作しないかもしれません。 PS/2 キーボード、 UHCI コントローラーにつながれた USB キーボードは動作するでしょう。キーボードはショートカットでの起動で利用した一つに限られます。 USB OHCI は現時点ではサポートされていません。

KDL 自体はシェルの一種です。コマンドを実行することでシステムの情報を出力させることができます。次のコマンドが役に立つでしょう:

bt (もしくは sc) バックトレースを出力する。システムの動作で KDL に入った場合、これを必ず実行します。
ints 取り扱っている・取り扱っていないハードウェアの中断を表示します。
co (もしくは continue) カーネルデバッガー を離れ、可能ならばシステムの実行に戻ります。
reboot システムをすぐに再起動します。まだ保存されていない全てのデータ、保存はしていてもまだディスクに書き込まれていないデータは失います。

詳細は Kernel Debugging Land へようこそ も参照してください。

KDL はシリアルポートと syslog にも出力します。 (もしあるならば。シリアルケーブルをもう一つのコンピュータに接続し、出力を受け取ることが出来ます。) もし KDL を終了することができない場合 syslog には出力されませんが、ブートローダーのデバッグ用オプションがそれを可能にするでしょう。 (下記も参照)

index Syslog

これは起動しないシステムから情報を取得するためのものです。
syslog (system log の略称) はシステムに発生した事象の情報、KDL の出力を含んでいます。それをカーネル関連の Trac にあるチケットに添付することは良いことです。 syslog は /boot/common/var/log/syslog に記録されます。ファイルの書き込みには動作しているシステムが必要であり、直近の出力が書き込まれず、カーネルの問題が起きた瞬間を記録していないかもしれません。 (主に突然のリブートや続行不能な KDL のセッションにて)

ブートローダーの Debug menu にある Enable debug syslog オプションは syslog を記録するようにします。デフォルトでこのオプションは有効で、リブートがかかってもブートローダーメニューから直接アクセスできるようにするようにします。オペレーティングシステム (Haiku 含めあらゆるシステム) を起動すると syslog の情報を破棄されます。そのため、起動するときに SHIFT を押したままにしてブートローダーメニューに入る必要があります。
ブートローダーメニューにある Debug menu の中には Display syslog from previous sessionSave syslog from previous session があります。前者は syslog をスクリーンに表示し、後者はディスクに保存します。現時点では FAT32 のフォーマットのみサポートされていることに注意してください。 USB メモリを使用する場合は、後から接続しても認識しないので1度再起動し、再度ブートローダーメニューに入る必要があります。ですが、そのときも: どんなオペレーションシステムも実行しないようにしてください。 syslog を失ってしまいます。

index スクリーン上でのデバッグ

スクリーン上のデバッグ出力は特定の問題とすでに分かっている問題について役立つでしょう。必要でないなら使用しないでください。
これは Haiku がうまく起動せず、なおかつ Debug syslog option もうまく動作しない時に使います。Haiku の起動ロゴが現れる前に、 SHIFT を押したままにしてブートローダーメニューに入り、 Select safe mode options を選びます。下の方にある [ ] Enable on screen debug output を有効にします。 (ノート: 他のオプションも Haiku のブートを試みる時に有効になります。 Haiku がどのオプションでのみ起動するかを確認してください。)
最後に、 Return to main menu を選択し Continue booting を選択します。
1ページ以上のテキストがスクリーンに表示されます。最後の数行がチケットに添付する必要がある物でしょう。詳細は ブートローダーを参照の事。

index ハードウェアとドライバーのバグ

もしハードウェアやドライバーのバグに関連したバグを扱うならば、以下の情報を添付する必要があります:

- listdev 詳細なハードウェアのリスト。ベンダーとPCIのid, linuxと同じような lshwlspci を含む。
- listusb -v USB関連のバグを取り扱うとき。Linux の lsusb に似ている。
- open /var/log/syslog Haiku システムのメインログ。 ブート中のスクリーン上デバッグと似ている。 open を用いる事で必要な部分をテキストエディタを使い切り出すことが出来る。
- listimage | grep drivers/ 使用されているドライバのリストを出力する。
- ints Kernel Debugging Land (上記を参照)でのみ有効。 割り込みの使用状況を表示する。同じ割り込みが複数のデバイスで共有されるのは好ましくありません。
- スクリーン上デバッグ (ブート時のセーフモードオプション)

最初の4つのコマンドはターミナルに入力する。 > output.txt をコマンドの最後に追加することで、 "output.txt" というテキストファイルにターミナルの代わりに出力されるようになる。つまり、それをバグレポートやメールに添付することができるようになる。

index

バグをレポートした後は、開発者があなたの報告を見て修正を試みるでしょう。しかし忘れないでいてもらいたいのは、私たちはボランティアであるので、しばらくの間報告が放置されることもあります。そして、情報を追加することで早くバグを修正することが可能になります。しかし、説明的でないコメントを追加するような事はしないでください。

バグのレポートはあなたの時間を無駄に消費するわけではありません。バグの報告をしたあなたは一つの Haiku の開発プロセスにあります。開発者はバグを修正するために質問をすることがあります。それを無視せず、質問には答えるようにしてください。あなたの参加は、バグが 'fixed' となるまで終わりません。